公益社団法人 仙台青年会議所 広報誌 のぞみ

理事長対談 2021年度JCI会頭 小嶋 隆文 氏

“今”を大切に いのちの砂時計

大髙理事長(以下、大髙):貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。本日の対談、よろしくお願いいたします。

小嶋隆文先輩(以下、小嶋):こちらこそ、よろしくお願いします。

大髙:実は、2021年に国際アカデミーを仙台で開催させていただいた際に、当時JCⅠ会頭をされていた小嶋先輩が講演でお話されていた、「いのちの砂時計」にとても感銘を受けました。お話を伺って以来、とても意識をして生きるようになり、何事もポジティブに置き換えて考えられるようになりました。

小嶋:その年は、パンデミックで海外デリゲイツを現地にお招きできなかった国際アカデミーでしたね。JCⅠ会頭として、何かお伝えすることができていたのであれば幸いです。そして、「いのちの砂時計」ですね。人生は砂時計のようなもの。どのくらい入っているのか残量のわからない砂時計、ひっくり返すことのできない砂時計。だからこそ、「今日という日」に全力を尽くし、一日一日を大切に生きる。

大髙:普段、簡単に使いがちな「命懸け」という言葉ですが、いのちの砂時計の話を伺ってから、自分の大切な人生の時間をかけているなと気付きました。JCをやっていることも命懸けですし、だからこそ、本気で取り組んで、楽しまないともったいないなと思います。ですので、理事長所信に「大切な人生の時間をかけて行うJC活動を前向きで有意義なものにし、自己変革を起こす必要があります。」と入れさせていただきました。

小嶋:そのように気付きを得ていただき、ありがとうございます。それぞれの大切な人生ですので、一日一日に全力を尽くし、その日を振り返った時に「今日を生き切った」と自己評価していただければ幸いです。

大髙:ありがとうございます。簡単そうなことでありながらも、とても難しいことだと感じています。しかし、このことに気付けた「今、この瞬間」が一番若いですし、遅すぎるということはないですよね。

小嶋:そうなんです。「今」が一番若いですから、「今」を楽しむことが大切です。そんなわけで、実は急なのですが、明日からピアノを始めようと思っています(笑)

大髙:え、ピアノですか?確かに、お寺にストリートピアノも設置されていますが、あちらをお弾きになるのでしょうか。

小嶋:私はピアノが弾けないので、これから習って弾けるようになりたいと思っています。以前、53歳の方が独学でピアノを練習し、素晴らしい演奏を披露する映像を見まして、一生懸命に夢に向かって努力し続ける姿に感動しました。自分も「今、この瞬間」が一番若いという考えから、新しい挑戦をすることが大切だと感じ、明日から始めようと思いました。

大髙:今を大切にするという考え方が、新たな挑戦に繋がっているんですね。全く初めてのことに挑戦していく姿を見せていただき、私も何事にも恐れることなく、挑戦していきたいと思いました。気付けたことに感謝をし、「今」を一番楽しみ、毎日を大切に全力で生きていきたい、そして、そのことをメンバーにも伝えていきたいです。

20~40歳までに、JCをやる理由(ワケ)

大髙:入会以来よく考えるのですが、ライフイベントの多い20代30代の時期にJC活動を行うことについて、なぜ今JCをやるのか、そしてJCをやる意義についてお伺いしたいです。入会をお誘いする際に「まだ若いので、今ではない」「○○をしたいのでもっと後で入りたい」と言われることがよくあります。私は、27歳で入会しているのですが、早く入会して良かったと思っています。

小嶋:20歳から40歳までのこの時期は、自己成長や社会貢献における重要な時期です。私は、JCを通じて、自分自身の成長だけでなく、地域社会に貢献する機会が得られると感じます。自分のスキルや経験を活かしながら地域の課題解決に取り組むことで、より意義のある人生を送れると思うのです。

大髙:ありがとうございます。私は、早く入会したことで、様々な機会を通して、経験や出会いをたくさんさせていただいています。入会が早ければ早い程、深い経験を通して成長ができると感じていますが、JCI会頭という大役を担われた小嶋先輩は、いかがでしょうか。

小嶋:私は、JCでの活動を通じて大きな成長をすることができたと感じています。例えば、プロジェクトリーダーを担当する等、責任ある役割を任されることでリーダーシップやチームマネジメントのスキルを身につけることができました。

大髙:私も、社業では経験のできないリーダーシップやチームマネジメントのスキルをJC活動から体得していると実感しています。JCの最大の魅力は、様々な機会を通して得た経験からの自己成長であると思います。そして、自分のために活動するのではなく、地域の課題解決に向けて活動することで、自己成長がさらに促進されるのですね。

小嶋:まさにそうですね。JCでは、それぞれの社業や日常生活では経験できないような貴重な経験をすることができます。それが、個々人の成長に繋がっていくのだと思います。私たちは日々の活動を通じて、自らの可能性を拡げ、成長していくことが大切だと考えています。そして、自分自身が成長するだけでなく、地域社会に貢献することでより意義深いものにしていきたいと思っています。

大髙:成長と貢献が相互に関連し合っているということですね。それはJCの活動の真髄でもあり、地域社会への貢献と成長の機会があるからこそ、JCをやる意義を感じるのですね。
私たちもこれからも地域社会に貢献しながら、自己成長を続けていきたいと思います。

Happiness!に必要なこと

小嶋:今年度の仙台JCのスローガンは、「Happiness!~笑顔がつくる仙台(まち)の未来~」と伺いました。とても分かりやすく、伝わりやすいスローガンだと思いますが、どのような考えで、このスローガンにしているのでしょうか。

大髙:仙台JCメンバーの笑顔を起点に、まちに住み暮らす人々が笑顔になることで、Happinessを拡げ、より良い仙台(まち)をつくりたいと考えています。まちは、そこに住む人の意識以上には良くならないと言います。まちのことを考え、まちを愛する人が増えることで、必ずより良いまちが創造できると考えます。そして、まちを愛する人は、笑顔であると思います。地域貢献や人財育成を通して、笑顔溢れる人を増やしていくことで、より良いまちをつくりたいと考えています。

小嶋:笑顔が溢れる社会を目指す、それがHappinessに繋がる、それには地域の課題解決と人財育成が欠かせないということですね。では、Happinessに必要な要素や世界がHappinessになるためにやるべきことは何だと思いますか。

大髙:Happinessに一番必要な要素も笑顔です。私は、「笑顔は世界の共通言語」であると考えています。言葉が通じなくても、言葉を話せなくても、笑顔があれば仲良くなれますし、コミュニケーションをとることができると、私自身のJC活動での経験から感じています。ですので、メンバー一人ひとりの笑顔や、私たちの活動を通して生まれた笑顔を拡げることで、しあわせを共感できる仙台の未来が創られると思います。そして、そのために私たちができるのは、JC活動を通して、笑顔を伝播させることです。

小嶋:大髙理事長が考えるHappinessに必要なものは、笑顔なのですね。仙台JCでは様々な事業を展開されると思いますが、どのような事業を本年は展開されるのでしょうか。

大髙:主な事業としては、市民の地域愛を醸成するために開催を続け、本年で55回目を迎える「仙台七夕花火祭」、2022年より開催を始めた「SENDAI SDGsWeek」、国際交流を通した青少年育成事業を行いたいと考えています。

小嶋:仙台七夕花火祭は55回目を迎えられるのですね。大髙理事長も以前担当をされていたと記憶していますが、市民のみなさんは、仙台七夕花火祭を通して笑顔になっていると感じていますか。

大髙:私は2022年に仙台七夕花火祭を担当する特別委員長をさせていただきました。3年振りに有観客で開催した仙台七夕花火祭でしたので、花火が打ちあがった瞬間の観客の皆様の笑顔と拍手は忘れられません。有観客で開催できなかった期間があったからこそ、私たちの行っている事業の必要性を感じることができましたし、この事業を通して、仙台(まち)を誇りに想い、地域愛を深めてくださった市民の方々が多くいたのではないでしょうか。

小嶋:市民の方々の笑顔が目に見えてわかるというのは、とても嬉しいことですよね。過去の開催について拝見しましたが、今年で3回目の開催となる「SENDAI SDGsWeek」はどのようにしていきたいのでしょうか。

大髙:過去の開催内容について、見ていただきありがとうございます。2022年に第1回を開催させていただいてから、SDGsの進捗も変わってきていますし、取り巻く環境も変わってきている本年は、私たち仙台JCだからできること、やるべきことに焦点をあて、東日本大震災の経験と教訓から醸成した災害文化の発信を基軸に、仙台発のSDGs推進モデルを確立し、地域・社会の模範となるモデル都市としてSDGsの推進を牽引していきたいと考えています。

小嶋:13年前の東日本大震災を経験したからこそ、その発信をして防災・減災に努めていくことが、仙台JCだからこそできることであり責務なのですね。1月1日に能登半島地震もありましたが、いつどこで災害が起きるかわからない状況において、経験から学び、対策をとることは非常に重要です。気付いた「今」が一番早いタイミングとなるわけですから。また、継続事業であっても、時代に即してテーマを変容させていくことは、インパクトを与えるために必要なことですね。

大髙:はい、私もそう思います。仙台JCは、地域の課題やニーズに真摯に向き合いながら、その解決策を見つけ、変化に対応しながら挑戦していくことが、これからの私たちに必要なことであり、地域に求められる組織へさらに進化することだと考えます。

小嶋:地域社会に根ざした活動を通して、メンバー自身が自己成長をする、そして、地域から求められる組織になることで、組織の価値も高まりますし、笑顔溢れるメンバーの拡大にも繋がりますね。

大髙:笑顔溢れるメンバーが増えれば、伝播できるパワーも増えますし、より良い事業の構築ができます。私たちはこれからも、地域社会と共に歩みながら、地域の課題解決に取り組み、さらに、メンバー一人ひとりが自己成長を遂げながら地域に貢献する組織であり続けたいと考えています。

小嶋:メンバー一人ひとりがリーダーシップを発揮し、チーム全体が一丸となって活動を進める姿勢は、仙台JCの成功に大きく貢献することでしょう。メンバーの皆さんのリーダーシップに今後も期待しています。

大髙:ありがとうございます。本日は、小嶋先輩の考え方に直接触れることができ、大変感銘を受けました。今後も小嶋先輩のご活躍を期待しています。私も仙台JCの一員として、力を合わせて活動していきたいと思います。貴重なお時間をありがとうございました。

小嶋:こちらこそ、ありがとうございました。大髙理事長を始め、仙台JCの皆様の今後のご活躍に期待しています。