公益社団法人 仙台青年会議所 広報誌 のぞみ

仙台の夜空を彩る夏の風物詩、仙台七夕花火祭は、市民に愛され続け昨年で第54回を迎えました。仙台青年会議所が主催するこの伝統の花火祭に欠かせない存在がおります。打ち上げ花火を製作している「株式会社芳賀銃砲火薬店 芳賀火工」さんです。長年にわたって仙台青年会議所と連携してきた芳賀火工(代表取締役芳賀克司)さんを取材いたしました。

芳賀火工成り立ち

江戸時代、伊達藩に欠かせない砲術師の家系であったのが芳賀氏であり代々火縄銃を作っていました。
その後、火薬を活かした事業として手持ち花火の製作を始め、それが現在に至る打ち上げ花火の製作へと発展しました。
そのため、芳賀火工は、伊達家とは深い繋がりがあるのです。

仙台七夕花火祭との関わりはいつ頃から始まったのか。

実は、私の父の代から関わっており、いつどのようにして芳賀火工が仙台七夕花火祭における花火の打ち上げを担ったのか、経緯は正直もうわからなくなっています。それだけ長くお付き合いさせていただいているということと思います。
現在、芳賀火工は、東北ほぼほぼ全ての花火大会事業に何らかの形で関わらせていただいております。仙台七夕花火祭への想いを教えてください。
仙台七夕花火祭に関わらせていただいていたおかげで、打ち上げ花火を製作する「花火屋」として実績が高まり、他の大きなイベント等でも、依頼をいただくようになりました。
花火の打ち上げは「挑戦」の連続です。特に仙台七夕花火祭では、仙台のど真ん中で打ち上げるという、他の花火大会では経験できない「挑戦」があります。
街中で打ち上げる花火大会は我々にしか実現できないという強いプライドを持って取り組んでいます。
そういった意味で、我々は、仙台七夕花火祭に強い想いを持っています。

これまでの打ち上げでの失敗談があれば教えてください。

練習のカウントダウンで本番だと勘違いして打ち上げてしまったことがあります。
当時は通信技術も発展しておらず、リアルタイムでのやりとりが無線の一方通行でした。現代においてはまずあり得ないことなので、ご安心ください。

今後の展望について

仙台七夕花火祭では、打ち上げ場所をどのように確保して継続していくかということが非常に大きな問題となっています。追廻地区が使えるようになれば、打ち上げの幅が広がると考えています。

「花火屋」が語る、仙台七夕花火祭のここ一番の見所を教えてください。

花火の醍醐味はやはり音と光です。その迫力をぜひ直に感じていただきたいと思います。桟敷席は有料ではあるものの、花火の音と光を最もダイレクトに感じられる場所ですので、値段以上の価値が十分にあると思います。
またお祭り全体の雰囲気を楽しむという意味では、西公園エリア(出店エリア)での鑑賞も捨てがたいと思います。

仙台青年会議所メンバーへ伝えたいこと。

音楽ホール建設案に伴い、今後の打ち上げが危ぶまれる中、仙台市街地以外のエリアで打ち上げるのは、伝統の神髄が損なわれかねないと懸念しています。
仙台青年会議所の皆様におかれましては、まちのど真ん中で打ち上げるという伝統を継承し、唯一無二の仙台七夕花火祭を後世に繋いでいって欲しいと願っています。