公益社団法人 仙台青年会議所 広報誌 のぞみ
公益社団法人 仙台青年会議所
広報誌 のぞみ
「のぞみ」誕生のルーツを探る
「のぞみ」とは、仙台青年会議所の広報誌で、長年にわたり続いている活動の一つです。では、この「のぞみ」の始まりはいつ、どのような経緯で生まれたのでしょうか?
その歴史を紐解いてみました。
発刊の背景を探るべく、勾当台公園にある記念像「のぞみ」に注目しました。この像は、1961年10月28日に仙台青年会議所の創立10周年を記念して建立されたものです。
銘板を探してみるとこんな記載がありました。
第八回全国会員大会開催記念
仙台青年会議所創立10周年記念
1961.10.28 仙台青年会議所
この記録から、「広報誌のぞみ」の名前がこの像に由来している可能性が高いことがわかります。しかし、発刊時期は明らかではありません。この謎を解明すべく、さらに調査を進めました。
最古の「のぞみ」発刊を追う
仙台青年会議所事務局で確認が取れ保管されている最も古い資料の「のぞみ」は1965年に発刊されたものですが、それ以前の資料は見つかっていません。
仙台青年会議所は、今年で創立73周年を迎えました。創立から10周年を迎えたのは63年前で、その当時40歳だったと仮定すると、現在では103歳を迎えていることになります。そこで、念のため、1970年代卒業の先輩方にお話を伺おうと連絡を取ってみましたが、残念ながらその方々も直接お話をお聞きすることは難しい状況だと伺いました。
そこで、さらなる手がかりを求め、宮城県図書館を訪れて調査を行いました。
ついに見つけた!「のぞみ」の原点のエビデンス!!
河北新報第23384号 昭和36年(1961年)10月29日 朝刊
昭和36年(1961年)発刊 仙台青年会議所10周年記念詩より
宮城県図書館を訪れたところのぞみ像に関する当時の資料を発見しました。
ただ、この10周年記念誌を深く読み込みましたが広報誌のぞみに関するワードはこの頃(1961年)までは確認できませんでした。
少し時は流れ
(社)仙台青年会議所全国会員大会記念誌より
昭和52年(1977年)10月10日発行
こちらの記念誌を確認したところ、赤枠のように、現在の広報誌“のぞみ”はこの像にちなんで名付けられたとの記載がありました。
つまり、1961年~1965年頃に発刊された可能性が高い確証を得ました。
進化する「のぞみ」
話を少し現代に戻しますと、過去2020年の仙台青年会議所ホームページにこんな記載があったのをご存知でしょうか?
74年度は、第1次オイルショック等の社会背景に屈せず、「不可能と思うな、先ずやろう」の素朴なスローガンの下に諸事業が推進された。仙台七夕まつりの中止論にもいち早く反対キャンペーンを実施、広報車を繰り出し、市民版のぞみを発行して広く市民に呼び掛けた。
これがいわゆる市民版のぞみのスタートととなっており、資料が残っておりました。
記事左下にあるように、こちらはプロトタイプ版で当時は号外新聞A2紙の両面折込で印刷をされておりました。 この年は全2回発刊されています。
こちらをベースとして、1979年に正式な対外向け第1号が発刊されました。
形的には現在ののぞみに近づいており、この年は4回発刊されておりました。
なお、『のぞみ』の発刊ペースは、その年ごとの状況に応じて異なり、毎月発刊されていた年もあれば、半年に1回のペースで発刊されていた時期もありました。
また、1980年代から90年代にかけては、当時の時代背景や社会のニーズを巧みに反映し、自由で独創的な発想が光る記事が多く見られました。一方、2000年代以降は、社会的要請の変化に応じ、コンプライアンスを意識した内容へと洗練されていきました。
そして2017年「広報誌「のぞみ」においては月刊誌化に成功。毎月タイムリーに仙台JCの活動を発信することができた。」と2020年ホームページにて記載がありました。
調査したところこの当時の、のぞみは4つ折りで開くと形を大きく変え新聞のように見やすい物となっておりました。
未来へ受け継ぐ広報誌
1960年代当時、コンピューターはおろかワープロすら存在しないタイプライターの時代であそこまで精密な記事を書いていたのかと考えると非常に感慨深いです。
現在、「のぞみ」はWEB媒体へと形を変え、時代のニーズに対応しています。その一方で、「のぞみ像」との繋がりをはじめ、歴史の中に埋もれたエピソードもまだまだ存在するかもしれません。
まとめとして、広報誌のぞみの初版は1961~1965年の4年の間に作られた可能性が非常に高いです。
また、その名前も由来は、10周年記念像のぞみより取られていることがわかりました。
最後に、もし「のぞみ」の歴史に詳しい方がいれば、ぜひ仙台青年会議所まで情報をお寄せください。特に1961年~1965年にまつわる出来事を知っている方をお待ちしています。